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Lee-Byung-hun addicted

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『釜山に行っちゃった』

「釜山に行っちゃった」第一話





「俺、そろそろ帰るわ」

ハギュンはそういうと名残惜しそうに席を立った。

「えっ、もう帰るの?これからレッスル・キングダムで盛り上がろうと思ったのに」

コントローラーから目を離しても操作を続けながらビョンホンが言った。

「明日から釜山で撮影なんだ。悪いっ!」

「そっかぁ~。じゃあしょうがないなぁ~。

ジェヨンも慶州で撮影だって言ってさっき帰ったし。

みんな忙しんだ・・・あ~俺も極寒の屋外ロケが恋しいよ。」


「何言ってんだよ。贅沢に1年かけて何やるか選んでるくせに。」

「なんかさ~いろいろ考えてたら何がいいんだかだんだんわからなくなってきちゃってさ」

「まあ、作品とはめぐり合いだから。

お前が心をを動かされたやつを選べばいいんじゃねえの?」

「そうなんだよな・・・決めかけてはいるんだけど。」

「焦んなくてもなるようにしかならないから。
じゃ、お先に。
揺ちゃん、ビョンホンに観光案内でもしてもらったら。
こいつ暇だから。」

そういうとハギュンはニヤッと笑って部屋を後にした。

ジウン監督とフェリーニの作品について語り合っていた揺は
そう言われてハギュンに

「そうね。そうしてもらおうかな。ハギュンssiも頑張ってね。」

と挨拶した後、ちらっとビョンホンの顔を見た。

揺もビョンホンが次回作を決めかねていることは知っていた。

でも、あえてそれについては聞いていない。

それを決める過程はビョンホンにとって一番大切な作業であるのがわかっていたからそっと見守ると決めていたのだ。

「いいね。そうしてもらいなよ。揺ちゃん。

こいつ本当に暇だから。

最近相手させられてばっかりでさ。

俺もいろいろ忙しいのに。」

とジウン監督が追い討ちを掛けるように言った。

「なんか厄介者みたいじゃないですか。」

とちょっとふくれっ面のビョンホン。

「えっ、違うの?」とジウン監督。

「そういうこというかなぁ~」

そういうとビョンホンはキングコングでバッタバッタとビルを倒し始めた。

ジウン監督はニヤッと笑うと揺に

「後はよろしく」

と耳打ちすると「じゃ、俺も帰ろ」と言って部屋を後にした。


ミニシアタールームに残された二人。

「どこに連れてってもらおうかなぁ。

来年はあなたが忙しくてきっとなかなか会えなくなるからきっと神様が私にくれた休日なのかも。

もう年内の仕事終わらせちゃって来たから

ばっちり相手してもらっちゃおうかなぁ。」

揺はそういうとふくれっ面でゲームするビョンホンの顔を覗き込んだ。

ビョンホンはチラッと揺を見ると何事もないかのようにゲームを続けたが

画面の中のキングコングは明らかに上機嫌だ。

揺がしめしめと思いつつ

「私は映画の撮影現場とか映画のセットとか観てみたいんだけど。

どう?だめかな。」と切り出すと

ビョンホンはうれしそうに

「じゃあ、ハギュンとジェヨンの撮影現場を見学しに行こうか」と言った。

「いいね。そうしよう。いやぁ~楽しみだわ。」

揺がそういうとビョンホンは満足げに笑った。

「じゃ、明日出発で2泊3日で行こう。飛行機予約して早速計画たてなきゃ。」

そういうとビョンホンは揺を置いてそそくさと部屋を後にした。

揺は笑って彼を見送りながらふと気付いた。

「えっ、二人でお泊りか・・・やだぁ~まじ?」


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